WEB考見

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YOASOBI「夜に駆ける」MVのYouTube規制は他人事ではない?

YouTubeにおいて人気音楽ユニット「YOASOBI」の大ブレイクのキッカケとなったデビュー曲「夜に駆ける」のミュージックビデオが、5月下旬から「次のコンテンツは、一部の視聴者にとって攻撃的または不適切な内容を含んでいるとYouTubeコミュニティが特定したものです。ご自身の責任において視聴してください。」という文言が表示され、一時広告がつかないという異例の事態にネット上が騒然となりました。

 

www.youtube.com

 

この規制は報道されてから数日で解除されましたが、5月31日時点で2億2000万回され紅白歌合戦をはじめ人気歌番組でも歌われてきた曲のMVに唐突に警告文が出るという前代未聞の出来事でした。

news.yahoo.co.jp

 

規制の原因はセンシティブな内容か

YOASOBIの楽曲は小説のストーリーを軸に制作されており、「夜に駆ける」も星野舞夜さんの小説「タナトスの誘惑」を原作としています。

タナトスの誘惑」は『死』を取り扱ったセンシティブな内容で小説投稿サイトで話題になった物語で私自身も、このニュースがキッカケとなって小説を拝見しましたが確かにハードだと感じる内容でした。

 

monogatary.com

 

この小説を見た後に、MVを見ると印象は変わってきますが、MVには直接的な表現がある訳ではなく規制しなければいけない要素というのは正直あまり感じられません。

ただ動画投稿から1年が経って曲の知名度が上がったことで曲の背景を知る人が増え、それを問題視する人もまた増え、通報する人も増えた、という事は大いに考えられます。

規制強化の動きは収益にも影響

YouTubeは近年、こういったセンシティブな要素を含む動画を規制を強化する動きがあり「夜に駆ける」MV制作された方が手がけてる、人気アーティストの神聖かまってちゃんの「るるちゃんの自殺配信」等にも同様の警告が表示されています。

今回の件でこれから『死』を取り扱ったテーマの楽曲が同じように警告を受け、最悪収益の無効化やチャンネル削除という処罰を受けてしまう可能性も考えらなければならなくなりました。

 

 

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近年MV再生による収益はアーティストの大きな収入源の1つなので、今回は規制解除されたものの、もし「夜に駆ける」を含む全ての楽曲が収益無効化となった場合、相当な痛手だったでしょう。

今回の事がキッカケで多くのアーティストの活動に影響が出ないこと、Googleの規制が寛容になってくれることを願うのみです。

時代によって変わる倫理観に沿う必要性

私自身は今回のMVは規制するほどだったかなという思いは強く、SNSでも「行き過ぎた規制だ」「表現の自由に反する」という声が多数でした。

ですが、この規制に至ったのは複数の通報があり、それをGoogleが問題視したという流れが恐らくあったのでしょう。大多数では無い意見からでも、一時状況をひっくり返えされたという、この事実は否定できません。

時代の流れや個人の価値観によって、それは許される表現なのか許されない表現なのか変わります。それは音楽だけでなく文章にでも同じ。

これからの時代、目まぐるしく変わる倫理観に沿い、自身を含む大多数の意見だけでなく少数の意見にも耳を傾けて配慮しなければ自身にも不利益をもたらすかもしれない。という事を今回の件から感じました。